「弁ばね(Valve Spring)」とは、エンジンの弁(バルブ)の開閉を支えるばねのことで、一般に圧縮コイルばねが用いられます。
エンジンバルブの開閉に伴い、弁ばねは毎分数千回にも及ぶ速さで伸縮を繰り返し、伸縮回数は1億回以上にもなります。
このため、エンジンが動いている間中、ずっと高速の繰返し負荷を受け続けることになり、非常に高い耐久性、耐熱性、耐へたり性が求められます。
このように、弁ばねは使用環境が非常に厳しく、また、エンジンの性能と信頼性に直接影響する大切な部品であるた
め、品質の高い材料を用い、製造工程にも特殊な処理を取り入れる必要があります。
圧縮コイルばねを用いた弁ばねにとって、最大圧縮時(エンジンバルブが開ききった時)荷重の増大は、動弁系のフリクション(摩擦)及び摩耗等の増加に繋がり、ひいては燃費の悪化をもたらすことになります。
逆に、最大圧縮時荷重を低減できれば、フリクション及び摩耗等の低減による燃費の改善効果等を図ることができます。
エンジン(動弁系)の回転限界を低下させることなく最大圧縮時荷重を低減するためには、動弁系の可動部質量を低減することが必要となります。
「ビーハイブ弁ばね」は、ばねの可動側(リテーナー側)コイル径を絞り込んだ形状にすることで、動弁系の可動部質量(リテーナー)の軽量化を可能にしています。
ミツバチ(Bee)の巣(Hive)に似ていることよりビーハイブ(BeeHive)と言われています。